僕の賜物・49歳FIRE生活 (ぼくたま)

僕とパートナーとワンちゃん2匹のセミリタイヤ生活

「簡素な暮らし」の価値観

僕は、稲垣えみ子さんの暮らしに感銘を受けたものの、彼女の様な「電気を使わない生活」などを極めているわけではありません。ただ、稲垣さんの著書はほぼ読破し、エッセンスを取り入れているつもりです。

稲垣さんの見解には、特にこれからの日本を生きていく知恵とヒントが存分に詰まっていると思うのです。資本主義社会がこれまでに成熟してくると、経済成長だけでは幸せになれず、個々の幸せの価値観が変わる事が幸せに繋がる様にも思います。

僕も会社員時代は、都会の経済社会の中で常に「成長」を意識して「もっともっと」が豊かな暮らしと信じて追い求め生きていました。稲垣さんは、香川県高松での暮らしで、これらの価値観が少しずつ変わっていった様ですが、僕の場合は、ヨーロッパ勤務の暮らしで、似た様な経験がありました。

今から15年程前に2年程暮らしていましたが、ヨーロッパってちょっと憧れもあり、マイペースな働き方で、優雅に暮らしている印象を勝手に持っていました。その頃既に、ヨーロッパは先進国中の先進国で、経済成長もとっくに頭打ちな風潮もあり、庶民の暮らしは想像以上に、簡素なものだったのです。

夏のバカンスには、長期休暇を取って、お金をかけてリゾートを満喫するのは、本当でしたが、それ以外の日常生活は「日々、簡素」が言葉として適切に思います。良い意味でメリハリが効いていて、皆さん、お金をかけずに自由と時間を楽しんで暮らす事がとても上手な印象です。

その当時のルームメイトも、普段の食事はパンとチーズに温かいスープといった内容で、サッと終わらせていましたが、決して貧相な感じではなく、シンプルで凛とした雰囲気が漂うのです。

働き方も人材の流動性が高いので、リストラもありますが、その分、より良い条件や希望する職が見つかれば、割合に簡単に転職しますし、僕が滞在していたリーマンショック前後は、失業率が20%程度でしたので、5人に1人は職がありません。

給料という安定を当たり前として、日々消費を謳歌する事が豊かだと一般的に信じられている日本とは違う価値観で、幸せに暮らしている人々を目の当たりにした事は、その後の僕の人生も影響があったのは間違いありません。