僕の賜物・49歳FIRE生活 (ぼくたま)

僕とパートナーとワンちゃん2匹のセミリタイヤ生活

「林住期」を暮らす。

インドの四住期という古くからの考え方があり、僕も稲垣えみ子さんの著書である
魂の退社―会社を辞めるということ。」で紹介されていることをきっかけに知り、その後、五木寛之さんの「林住期 (幻冬舎文庫)」も読み進めて認識した内容です。

45歳を過ぎてFIREが見えてきた頃から、僕もこの概念を意識する様になり、50代の暮らしのあり方の基礎と考えるようになりました。今の暮らしの理想は「禅僧のような暮らし」です。俗世間からは、距離をおいて、自身の内側を見つめる様に暮らす。

物理的には難しいところも多々ありますし、実際に修行の様な生活で幸せな訳では無いのですが、暮らしを構成する基本的な考え方として、エッセンスを取り入れる様にしています。

ミニマリストではありませんが、シンプルライフよりは省エネで暮らす「禅的生活」といったところでしょうか。49歳までの「家住期」にあたる時期は僕も、どっぷり経済社会を構成する会社員として、給料を上げる努力、様々な消費、上質な品物や暮らしを得るために、徹夜も度々に懸命に働いていました。

その甲斐もあり、会社員としては充分と思える暮らしを送る事が出来ましたが、経済社会の原則は「成長」イコール「豊かさ」です。それには、短い時間で多くの付加価値を生む必要があり、会社は常にその努力を続け、より大きな「豊かさ」を生み出す事が使命である事は、僕も理解していました。

僕自身も外資系IT企業というグローバルな環境で、海外出張や海外勤務、世界の様々な国の同僚と外国語を駆使しながら、自分の分身の様に仕事を「世界」へ広げていきました。ただ「拡大」は永遠に続く訳ではありませんでした。ましてや自分という個人が広げられる「世界」は年齢とともに滞りを見せることも多くなるのです。

そして45歳を過ぎた頃からでしょうか。「今まで見過ごして来たものたち」へ目が向き始めました。これ以上、新しいものを追い求めず、見過ごして来たものを取り戻す時間、を大切に生きています。

澄んだ空気の中で暮らしていきたいものです。