僕の賜物・49歳FIRE生活 (ぼくたま)

僕とパートナーとワンちゃん2匹のセミリタイヤ生活

年金だけじゃ足りない問題。フィンランドのお話。

50歳を目の前に「これっぽっちの年金では食べていけない」と多くのメディアで語られている事もあり、これからの高齢化社会への不安はより大きくなる様にも思います。現在の国民年金を満額払っても「月6万5千円」の年金所得では、家賃がなくても生活は難しいのは事実です。

ただ、年金額を増やしたければ、それだけ社会保障支払額を増やせはいいのですが、国税庁の調査では、2023の日本人の平均年収は「458万円」程度との事ですから、現在約2割程度の日本の各種税金と社会保険料を差し引くと手取りでは「365万円」程となります。

単純計算での話にはなりますが、これを社会保障の手厚さで知られている北欧の社会保障レベル、仮に45%まで引き上げると、手取り「205万円」程度となります。月々17万円程になり、一人世帯の平均の年金受給額と近しい金額です。何とか暮らせない事もなさそうですが、ギリギリです。年金を納める20代からこの割合の税金と社会保障が、今の日本で許容されるのか、は甚だ疑問ですし、それが「豊かな生活」という価値観を日本は持てない様に思います。

会社員時代に、たいへんお世話になった上司がフィンランド人だった事があり、何度か、彼の自宅に招いてくれてフランス人の奥様と一緒に「ラクレット」を振る舞ってくれました。

食事の席で、その方が仰っていた印象的なエピソードなのですが、

「フィンランドでは、朝、会社に車で出社したら、建物から一番遠い駐車場に停めるんだよ。だって、後から来た人は時間が無いのだから、近くが埋まっていて遠くに停める事になったら、遅刻してしまうでしょ。」

だそうです!何と言う「おおらかで優しい価値観」でしょう。「時間が無いのは自業自得」とか言わない、これが世界で一番幸せと言われる国に暮らす人々の考え方なのだ、と目から鱗でした。僕なら、建物に一番近くできれば雨にも濡れない区画を我先に探します。

日々の生活は質素でも将来の不安がなければ、人はお互いを労わりつつ分け合いながら幸せになるのかも知れない、と、ちょっと自分行動を振り返りながら、反省しつつも

「自分の国ではその様には暮らせない」

とも深く感じた瞬間でした。この考え方にも社会保障の仕組みは影響している様にも感じました。

「早かれ遅かれちゃんと自分にも幸せが訪れるのだったら、自分よりも不都合の多い状況、恵まれない状況の人達を優先しよう」

なのかも知れません。

「弱肉強食」「競争に勝ち抜く」「我先に利益を手にしなければ損」に寂しさを覚えざるを得ない昨今です。