僕は、49歳の誕生日から程なくして、会社を辞めました。
1つの会社に長く務めたのではなく、外資系のIT企業という転職に寛容な業種に30年弱近く身を置いていましたので、別の会社に転職した後に、以前務めていた会社に出戻った事ありましたし、転職を含めてさまざまな環境も経験をしました。
最後の会社を退職をした時は「会社を辞める」というよりは「会社員を辞める」という感覚で、IT業界でのキャリアを終えて「今後はフルタイムの正社員では働かない」を前提に会社を去りました。
所謂、脱サラなのかとも思いましたが、脱サラって会社員以外の本業を営んで生計を立て第2の人生に進む事だと思うのですが、FIREするつもりでしたので、また少し違う様にも思います。
会社を辞める、こと自体は過去にも経験がありましたが、定年でもなく転職先もない状況で、会社を辞める早期リタイアというのはこういう感じか・・・と退職の挨拶も少し困りました。
複数の外資系IT企業で働きましたが、どの会社も常に結果は求められる環境なので、厳しい局面も乗り越えてこその評価だったりと、タフな部分も当然ありましたが、その分、納得できる給与水準と福利厚生などの環境面で働けた事には感謝です。
会社員として充実した経験と時間を過ごす事が出来ましたし、荒波に揉まれながらも人として成長させてもらえた、これらの時期がなければ今の暮らしもありません。
同僚はもちろん今でも会社員を続けています。ブラック企業で不遇な環境に居たという訳ではなく、解雇された訳でもなかったので、会社員を続けることは可能でしたし、周囲からは「もったいない」との声もありました。
ただ僕は、この業界で僕に出来る事はやり切ったし、これ以上やれる事もないだろう、という心持ちで、もうこれ以上、会社員を続けても同じ事の繰り返しになることだけが明白でした。
このままでは自分の人生が前にも後ろにも進まず、ただただ停滞した毎日の中で時間だけが過ぎて行くことの恐怖に耐えられなくなった、そんな心境です。
自分が会社にこれ以上貢献できるものも無ければ、会社から受け取りたいものも無かった日々から逃れるように、辞めます、と上司に伝えたのでした。
